OUT

「…え…」



「……神崎永遠、黒嶋真理和…15分だけ時間をあげよう…」



小林は、ショットガンを永遠に渡すと、続けた。



「…15分間、私達は軍人としてではなく、一人の人間として…政府の為に、君達を殺すのか…君達の命を助けるのか…どっちが正しいのかを選び抜く。」



真理和は永遠と千草を支えた。


小林は仏頂面で続けた。



「…その間…逃げれる所まで逃げなさい…私達は、君達を見逃す事は許されない身分。だが…15分だけ自由にするのは…誰にでも権利があるはず…。行きなさい…」






永遠はショットガンを握りしめると、真理和と千草を支え、出口の方に走り続けた。




涙をボロボロ流しながら、足の裏の感覚がなくなるほどに走り続けた。





一人の軍人が人間として、

最後に与えてくれたチャンス


そのチャンスを潰さないように、三人は懸命に走り続けた。






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