OUT
「……は…はぁ…は…!!!」
三人は必死で走り続けた。
それでもまだ見えない出口。
もう足の裏の感覚がない…
涙は枯れて、濡れていた頬はもう乾いた。
「……あや…菖蒲さん…」
永遠は支えている菖蒲の体を少しだけ揺さぶる。
千草は汗を流し、口の回りは赤黒い乾いた血と、また新しく口から出て来る真っ赤な血で汚れていた。
閉じそうな瞼をゆっくり開け、明るい茶色の瞳を永遠のほうに向けた。
「……は…はぃ…」
弱々しい声を聞いた瞬間、永遠はなんだか泣き叫びたい気分になった。
「………死なないで…」
「……え…?」
乾いたはずの涙が、また滲みでる。
「…死なないでください…絶対…死なないで…」
永遠の言葉を聞いて、真理和もまた泣き出した。
「…菖蒲…さん…!!」