OUT

「………あ…」



三人の視界いっぱいに、

太陽の光が見える。





「…あ…菖蒲さん!!」


永遠は涙を流して、喜んだ。

真理和も、袖で涙を必死に拭いていた。


千草は無理矢理笑うと、二人の頭を震える手でいっぱい撫でてやった。




「…二人共…がんばりましたね……あれ…を越えると…で…出口です…!」



三人は走った。



目の先にある、本当の出口を目指して…。



みんなが出たかった…外へ……!!!




やがて、懸命に走る三人を太陽の光が包んだ。



「………あ…」



永遠の視界に映ったのは、綺麗な夕焼け空と、それと同じ色をした大きな海だった。




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