OUT
「!」
すると、ネロの視界に、梯子とあるものが映った。
ネロはすぐそれらが置いている場所へバシャバシャと音をならして近づいて行った。
「………ぃちか…ばちか…だよね…」
そう呟くと、ネロは梯子とそれを持っていき、竜の所に来た。
「…東堂さん、貴方…これをあそこに当てること…できますか?」
「………は?」
竜はネロの手に視線を落とした。
ネロが持っている物は…
……手榴弾 …だ。
「―は?お前自爆しようってか?」
「違います…脱出を試みようって思ぃまして…」
ネロはなるべく早く、自分の思いを伝えた。
水域がネロのお腹まで達してきた………
竜は手榴弾を握ると、
「…頭いいな、お嬢さん。」
…と言い、天井に手榴弾を投げた。
そして、急いでネロと自分の体を水の中に潜らせた。
――――ドォオオン……
水の中で、微かに爆発する音が聞こえて来た。