OUT

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その頃、竜達は先にある、古びたドアに向かっていた。



「ねぇ…夢…竜…」

「「?」」



華菜がポケットからあるものをだすと、夢と竜に言った。


「……なに?」

夢が心配そうに華菜を見た。


「………桃が見つけたこの鍵って…なんか意味があるのかな…?」


竜は鍵をチラ見すると、なにやら考えだした。


「……さぁ…?飾りかなんかじゃないの?」


「…竜持っててよ、何か役にたつかもしれない」


華菜は竜に鍵を渡した。


だが竜は

「友達の形見を俺なんかに預けちゃっていいわけ?俺…そんな役にたちそうにない物、すぐに捨てちゃうかもよ?」

…と鍵を受け取らなかった。


「…さ…次のドアに向かいましょうか?」


竜は古ぼけたドアの前に立つと、二人にそう呟いた。


華菜は、鍵を大切そうに、ポケットに入れた。







―ガチャ―――



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