OUT


「え…やっ…だぁ…」


桃みたいに潰されちゃうの?


美咲みたいに溶かされちゃうの?


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!



私…まだ死にたくないわ!!!


夢が華菜に叫んだ。

「鍵!!!多分それ…檻の鍵だよ!!!ほら…穴がある…!!!はやくこっちに鍵を!!」


鍵???


華菜は急いで鍵をだした。


震える手が言う事聞かない……


そうよ…

落ち着いて……

落ち着いて………


鍵がポケットからでた瞬間……


「……あ!!」


――――カラカラカラ!!



手が滑って、鍵が向こうに飛んでしまった。



竜が焦り、叫ぶ。



「…早くとれ馬鹿!!!!はやくしないと罠が発動するぞ!!!はやく!!!」


華菜は竜を見ると、目に涙を溜めた。


「手がぁ…言う事聞かないのよー!!!!うぁあぁん!!!」


緊張と恐怖で、ついに華菜は泣き出した。


―――ギギギギギギ


不気味な音は更に大きくなる。



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