OUT
「ぁたし…まだ死にたくない…」
無事にここから出て、
買い物に行って…
プリクラ撮って…
ご飯食べて……
「……当たり前だった…生活に戻りたいよ……―」
華菜は徐々に鍵に近づいていく。
あと3メートル…
あと2メートル…
あと……
1メートル…
「う…!!!あともうちょっと…」
華菜はやっと鍵を掴んだ。
「…やった!!!はやく…!!!!」
夢は檻の隙間から、手を必死に伸ばした。
華菜も必死に手を伸ばした。
「夢…ぇ」
華菜は必死にこっちに向かってくる。
夢まであと…3メートル…
2メートル……
華菜の指先が、夢の手に触れようとした直後だ。
―――ブォオオオォオン!!!!
巨大な機械が不気味な音を鳴らし、起動した。
「―…………え!!!???」