OUT

「……?」


竜が首につけているシルバーネックレスが、部屋に吸い込まれるように、浮いている。


気付けば、髪も、服も、異様な風に吸い込まれそうになっている。


「まさ…か…」


あの巨大な機械は…


「掃除機の巨大版みたいなもの……!!??」


次の瞬間、


「きゃあぁあ!!!!!」


華菜の足元が強力な風に吸い込まれ、宙に浮いた。


「華菜ぁああぁぁ!!!!」


夢は必死に手を伸ばし、なんとか華菜の手首を握ることに成功した。



「…夢…!」


「絶対離すなよ!!!なんとか鍵をこっちに…!!!」



夢の腕の骨が、ミシミシと鳴ってるのが華菜に伝わる。



涙さえ風邪に吸い込まれる。


すると、夢の隣に竜が来た。


そして一生懸命手を伸ばした。


「…華菜…!!がんばれ!!」


恐怖より、嬉しさで涙が止まらない。



―二人共本当…ありがとぅ…



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