きっと恋、これは恋。
「修平?」
横目に佐久間のことを睨みかけたとき、
ひなたに声をかけられた。
「ボーッとしてるの、珍しいね
大丈夫?」
ニカッと笑ったその顔を、他の人に見せたくないんだ。
俺だけの、ひなたでいてほしいから。
…そんなことは本人には言えたことじゃない。
________
「バイバイ!!」
気づくと、そこはもう家の前で
ひなたの佐久間への声ではっとする。
俺もついでのように佐久間に手を振る。
佐久間がマンションにはいるのを見送ると、
ひなたが俺を引き寄せた。
そして
自分のおでこと俺のを合わせる。
「うーん
熱があるわけじゃないんだ…」
突然の行動に驚き、
パッとひなたから離れる。
「なに…やってんの」
ひなたは
なにいってんの??
とでも言うように、俺を見て首を傾げる。
「修平、元気ないみたいだったし…
熱あるのかと思って…」