きっと恋、これは恋。



「えっと…篠原、です。」





その言葉に、違和感を覚えた。



僕の知っている篠原さんと言えば、


メガネに下ろしっぱなしのセミロングの目立たない感じ。





でも、今目の前にいるのは、


メガネをかけていない、髪だって、ポニーテールに編み込みを加えた可愛らしい感じ。





しかしよく見てみると、

目元の特徴や全体的なバランスからしても篠原さんだと理解した。





「ご、ごめん…

 全然気づかなかった…」


「ううん。大丈夫。

 クラスの子にもお前誰だーって言われちゃったし。」




えへと篠原さんは笑顔を浮かべる。




日がたつごとにたくさん喋れるようになって、

今では普通に会話が続くまでになった。






「可愛い」





自分でも、驚いた。



こんな言葉がこぼれ落ちるなんて。





それは紛れもない僕の本音で。



だから、否定はしなかった。







篠原さんはくるっと後ろを向いてしまう。






嫌だったり、したのかな…




そう、不安になる。






< 265 / 269 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop