きっと恋、これは恋。
「えっと…篠原、です。」
その言葉に、違和感を覚えた。
僕の知っている篠原さんと言えば、
メガネに下ろしっぱなしのセミロングの目立たない感じ。
でも、今目の前にいるのは、
メガネをかけていない、髪だって、ポニーテールに編み込みを加えた可愛らしい感じ。
しかしよく見てみると、
目元の特徴や全体的なバランスからしても篠原さんだと理解した。
「ご、ごめん…
全然気づかなかった…」
「ううん。大丈夫。
クラスの子にもお前誰だーって言われちゃったし。」
えへと篠原さんは笑顔を浮かべる。
日がたつごとにたくさん喋れるようになって、
今では普通に会話が続くまでになった。
「可愛い」
自分でも、驚いた。
こんな言葉がこぼれ落ちるなんて。
それは紛れもない僕の本音で。
だから、否定はしなかった。
篠原さんはくるっと後ろを向いてしまう。
嫌だったり、したのかな…
そう、不安になる。