吸血鬼たちに甘く囁かれて*Second*

え、は、コイツ何言ってんだ。


その言葉に祈織ちゃんも驚いたようで返事に少し間があいた。


祈織ちゃんも多少は神河のことを怪しいと思っているだろうと勝手に思っていた俺は神河の誘いも断るだろう。


そう思っていた。


「……まぁ行くところが一緒なら別に構わないけど」


ところが祈織ちゃんは断るどころか了承していたのだ。


「ぁ、ありがとぅ……ござい、ます」


俯きながら神河が発した口元は弧を描くように笑っていた。