極妻
11)罠にかかった姫
「…………ッ!?」


女の子の声やった。しかも知った声や。でも、信じられへん人物や。こんなとこにおるワケないやろ――!?


目を見張って、ゆっくり振り向いた。


暗闇にも慣れてきたし、息のかかる距離にいるから、ぼんやりではあるけど輪郭と目鼻立ちを確認できた。


間違いない……。


「…あ、あんた…!?…何で…!?」


私の口から手を外し、シーッとするように唇の前で人指しゆびを立てたのは、お方様のひとり、乃愛さんやった。


そうや。さっき部屋のまえでこの人に話を聞かれたんやった。まさかここまでうちをつけて来たんやろか!?


それとも、うちを狙ってる男たちの仲間!?


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