極妻
「なんやけったいやなぁ」
お兄ちゃんは私の黒髪を撫でると、急に真顔になった。今まで見たことがない怖い顔に。
「これからも小夜子は俺の大事な大事な妹や。誰にも小夜子は傷つけさせん。もしもお前にアホな真似する奴がおったらいつでも俺にいいや。地球の裏におっても飛んでってぶっ殺したる」
「……ありがとう、…お兄ちゃん」
「花嫁道具にな、小刀入れとくわ。御守り代わりや。いざとなったらそれが朔夜を刺して小夜子を守るようにな」
このときのお兄ちゃんの表情を、ずっとずっと忘れないと思った。
お嫁に行っても私が好きな相手は、一生尊お兄ちゃんだけ……。
そう強く思った。
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お兄ちゃんは私の黒髪を撫でると、急に真顔になった。今まで見たことがない怖い顔に。
「これからも小夜子は俺の大事な大事な妹や。誰にも小夜子は傷つけさせん。もしもお前にアホな真似する奴がおったらいつでも俺にいいや。地球の裏におっても飛んでってぶっ殺したる」
「……ありがとう、…お兄ちゃん」
「花嫁道具にな、小刀入れとくわ。御守り代わりや。いざとなったらそれが朔夜を刺して小夜子を守るようにな」
このときのお兄ちゃんの表情を、ずっとずっと忘れないと思った。
お嫁に行っても私が好きな相手は、一生尊お兄ちゃんだけ……。
そう強く思った。
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