極妻




乃愛さんと樋ノ上さんが部屋を去ったあと、日が傾くまでひとりぼーっとしていた。


朔夜のことを考えていた。


樋ノ上さんも、鬼塚さんも朔夜が私を好いとるみたいなことを言う。


ほんまなんやろか。だから火事のとき助けてくれたんやろか。




何やろな……胸がたまらなく苦しい……


でもうちらは双子の兄妹や。


そしてもうすぐ会うこともなくなる。


そう思ったらいつの間にか涙が落ちていた。


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