二十年後のクリスマスイブ
「二十年後のクリスマスイブに再会しよう!」
突発的に桐人が律子に提案した。収拾がつかなくなり、お互いに別れがたい状況だと判断した桐人の決断だった。
「………二十年後?!」
「そう…俺は律子をずっと愛してるから…二十年経てば生まれる子供が自立しているだろう…そうなれば一区切りつくから、とにかく逢おう。二十年後に…」
「私に今度は二十年待てと言っているの?…」
律子が桐人の提案に、泣き疲れ腫らした眼を擦りながら尋ねた。
「永い年月だから、その間に律子に何が起ころうと構わない。律子も自分の運命に沿っていけばいい…もしかしたら、その間に律子にも運命の男性が現れるかも知れないし…そうなれば、こんな約束なんて反故にして構わないから…」
「桐人は必ず来る?…」
「言った筈だよ!俺の心には律子しか居ないんだから。必ずね。何をさて置いても死なない限り来るよ。だから、さよならじゃなく、行ってきます!だね…」
桐人には何かが見えていた。自身にこれから起こるであろう二十年という長い期間は決して楽では無いという事が…
「誕生日おめでとう!桐人…又、忘れているでしょ、自分の誕生日だよ」
律子に笑顔が戻った。
突発的に桐人が律子に提案した。収拾がつかなくなり、お互いに別れがたい状況だと判断した桐人の決断だった。
「………二十年後?!」
「そう…俺は律子をずっと愛してるから…二十年経てば生まれる子供が自立しているだろう…そうなれば一区切りつくから、とにかく逢おう。二十年後に…」
「私に今度は二十年待てと言っているの?…」
律子が桐人の提案に、泣き疲れ腫らした眼を擦りながら尋ねた。
「永い年月だから、その間に律子に何が起ころうと構わない。律子も自分の運命に沿っていけばいい…もしかしたら、その間に律子にも運命の男性が現れるかも知れないし…そうなれば、こんな約束なんて反故にして構わないから…」
「桐人は必ず来る?…」
「言った筈だよ!俺の心には律子しか居ないんだから。必ずね。何をさて置いても死なない限り来るよ。だから、さよならじゃなく、行ってきます!だね…」
桐人には何かが見えていた。自身にこれから起こるであろう二十年という長い期間は決して楽では無いという事が…
「誕生日おめでとう!桐人…又、忘れているでしょ、自分の誕生日だよ」
律子に笑顔が戻った。