薬指の秘密
「シンガポールからの飛行機の中」

「ああ!!出張だったけ」

相変わらず多忙な

「そか。じゃあお土産よろしく」

シンガポールって何があるんだろう

と考え始めたしるふ横目に小さくため息をついたのはその鈍感ゆえ


黒崎病院にも海斗やほかの背の高い従業員の努力の結果

大きなツリーが飾られ、町もだんだんとクリスマスに向かっている

受付の前を通るたびに

存在感のあるそれが目に入る度に思う

「クリスマス、どうしよう」

医局の机でむむむと低く唸る

「なんて幸せな悩みなのかしらね」

不在の海斗の席に座ってくるくる回るのは、飯田莉彩

「別に24,25に何かしたいとかは思わないけど、てか無理だから。でも一応クリスマスっぽいことはしたいなーって」

「プレゼントは?」

「そこね。海斗がシンガポールに行ってる間に買うことは決まってるんだけど」

何を買うかはさっぱり

「困ったら直接聞くって言う手もあるわよ」
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