薬指の秘密
「…そういえば、同窓会来れそう?俺一応幹事なんだけど」

海斗と親睦を深めることを諦めたらしい山崎がしるふに視線を投じる

「同窓会…?ああ!!今月の!!」

返信するの忘れてた!!

「立花来ないと男どもが盛り下がるからさー。都合つくならぜひ」

なにせ高校では新体操部のバラと呼ばれていた

「22日だよね?行ける行ける」

「良かった。じゃあ、また連絡するから」

連絡返してよ

さすが営業部らしい笑みを最後に山崎の背が消えていく

振られた手に小さく手を振り返していると

視界の端から海斗の姿が消える

「あ、ちょっと待ってよ」

慌ててその背中を追いかけて隣に並ぶ

「同級生」

「うん。高校と大学が一緒だった。っていっても大学は学部違うんだけどね」

興味があるのかないのか海斗の視線は前方を見つめている

「急患はいったら対応変わってね」

皆に会いたいしさ

にこにこと笑うしるふに一瞥を投げた後
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