薬指の秘密
「最近、根本的な問題を解決しようかと思い始めてる」

「と言いますと」

先を歩いていた海斗がふと立ち止まる

見下ろす先には白衣姿のしるふと

「山崎!!」

訂正、山岸

「あのばか!懲りずによくも黒崎病院に!!」

階段を駆け下りる飯田を見送りつつ

「やっぱり自覚が足りないか」

つぶやいた声は誰も聞いていない

階段を下りずに通り過ぎ、ポケットから取り出すのは仕事用スマフォ

鳴らす相手は、もちろん

「黒崎先生?どうかしました?」

こちらの気苦労なんて心配なんて何も知らない姫君

本当、どうしてくれよう

縄でもなんでも縛り付けてみようか

そしたら少しくらい自覚するのかもしれない

「今すぐ戻ってこい、立花」

歯切れのいい返事が聞こえてからスマフォを切る

山岸何てほったらかして駆け出すだろう、その姿が目に浮かぶようで

先に医局につくのはしるふの方が早いかもしれない、なんて思った
< 52 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop