薬指の秘密
「クリスマス、結局何もしてないなー」

朝、寝癖を直しながら鏡越しに独りつぶやく

気がつけば風邪を引いたイヴを通り越し、クリスマスと忘年会の忙しさに追われ、

あれから何日が経っただろう

「てか、新年だよ」

その前にどうにかして海斗甘いもの攻め作戦を…

仕事のシフトを思い浮かべながらくるくるとこてで器用に髪を巻いていると

「ああ、居た」

突然開いた脱衣所のドア

鏡に映るのはコートを着たままの海斗

「ちょっと!!人の家に勝手に上がらないでよ!!」

しかも脱衣所に入ってくるとか!!

「いつも勝手に上がってくるのはそっちだろう」

そしていつも人の睡眠をじゃまするのも

「見られて困る物なんてないでしょ」

男なんだから

「その理論はどうかと思うけど」

「どうするのよ。風呂上りとかだったら」

ひとまず目に入る体重計でも投げつけてやろうか

「今更な」

「今更じゃないから!!」
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