薬指の秘密
「ねえ、海斗。ここって」

手を引かれて足を踏み入れた店内

温かさにほっと息をつく

ふと見渡せば、広い店内に配置されたショーケース

中には丁寧に置かれた指輪

しかも入口の横

ショーウィンドウにはあの指輪がある

「…しるふ、」

「え、何」

「え、何じゃなくて、どれがいい」

海斗に呼ばれて振り返るとにこにこと微笑む店員さんと少し胡乱気な海斗

「選んでいいの」

「もちろん」

「買ってくれるの」

「ここまで来て割り勘はないだろう」

男の沽券たるものもあるし

しかも金に困っているわけでもない

「海斗、大丈夫?頭打った?実は海斗じゃないとか?こないだの喧嘩なら気にしてないからそんなに思い病まなくても良いよ?」

「いいからさっさと選べ」

「…どうしよう。感動しすぎて泣きそう」

そんなひどい仕打ちをしているつもりはないんだが
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