薬指の秘密
連れていけば花が咲くって思うんでしょう
「ふーん。私一度も声かけられたことないけどね」
もう一回言うけど
「当たり前でしょう。黒崎先生が全部断ってるもの」
もちろん医局長もグルだけどね
「へえ」
「大事にされてるわよねー、まったく」
最近になってようやくそのわかりにくさが分かってきた、と思う莉彩だ
「…一言くらい聞いてくれてもいいと思うんだけどなー」
私に来た話なんだろうし
「とかいっちゃって。他の病院行く気あるの?」
ロッカーを閉めた莉彩が胡乱気な瞳を向けてくる
「ううん。私黒崎先生超えるまでここ出る気ないから」
せめて並べるくらいにはならないと
そうあの背中を追いかける度に思う
「幸せよねー。そう思える相手が上司であり、恋人でもあるなんて」
しかもあっちもそのつもりっていうね
「まあね」
へへへ、と照れくさそうに笑った彼女の右手に小さな光が反射していた
「ふーん。私一度も声かけられたことないけどね」
もう一回言うけど
「当たり前でしょう。黒崎先生が全部断ってるもの」
もちろん医局長もグルだけどね
「へえ」
「大事にされてるわよねー、まったく」
最近になってようやくそのわかりにくさが分かってきた、と思う莉彩だ
「…一言くらい聞いてくれてもいいと思うんだけどなー」
私に来た話なんだろうし
「とかいっちゃって。他の病院行く気あるの?」
ロッカーを閉めた莉彩が胡乱気な瞳を向けてくる
「ううん。私黒崎先生超えるまでここ出る気ないから」
せめて並べるくらいにはならないと
そうあの背中を追いかける度に思う
「幸せよねー。そう思える相手が上司であり、恋人でもあるなんて」
しかもあっちもそのつもりっていうね
「まあね」
へへへ、と照れくさそうに笑った彼女の右手に小さな光が反射していた