交わらなかった平行線。
涼太との出会いは
八年前の
夏だった…。
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色んなところから聞こえる
楽しそうなお囃子。
道に所狭しと並んでいる
やきそば…
わたあめ…
射的…
数々の屋台。
県で一番大きいと言われるお祭り
とても楽しい日のはずなのに
私から楽しいという感情は消えていた。
『お母さん…どこぉ…』
目にはたくさんの涙が溜まっていた。
6歳のわたしには
知らない街
人がごった返す空間
そこに一人ぼっちという現状が
とてもとても怖かった。
『お母さん…お母さん…』
すれ違う大人は
大丈夫⁇ー
お嬢ちゃんどうしたの⁇ー
数々の声をかけてくれていた
けれど
その声すら私は怖くて仕方なかった。
『お…かぁ…さん…ひっ…』