【短編】くすんだリング。
*─*─*
週1、もしくは週2。課長は相変わらず私のところに来る。ひょっとしたら、ただの“間違い電話”なのかもしれない。
私は課長のアドバイス通り、スマホを変えた。キャリアも変えて、番号もアドレスも全く違うものになった。
そしたら、パタリ、と無言電話も空メールもなくなった。
「課長、疑ってごめんなさい」
「いや、いい」
課長は笑って許してくれた。好き……この人が好き。奥さんから奪えたら、どんなに幸せだろうって思う。でもいい、こうして抱き合えるなら、それでいい。