君とみた蒼空
「…………病状がだんだん悪化してきてる」
覚悟はしていたけれど、その言葉は私の心にナイフのように突き刺さった。
「………このままじゃ、詩音の命が危ない………手術をしたほうがいい」
手術。
今まで何度かしたことがあるけれど、毎回手術室に入るのが怖くて大泣きした覚えがある。
「………手術…………」
私は、となりに座っている蒼くんを見上げた。
本当に私、蒼くんに迷惑かけてばっかりだ。
病気のことを隠し続けて蒼くんに心配かけて、更には手術なんてまた蒼くんに迷惑をかけてしまうに決まってる。
蒼くんはこれから、バスケの大会で忙しくなるのに。
「詩音…………手術をしよう」
「…………うん」
私は力なく頷いた。