君とみた蒼空



「あっ」



そうだ。


歩実ちゃんの名字も、大島。


歩実ちゃんの制服にも、やっぱり“大島”の名札が付いていた。


「詩音ちゃん? どうしたの?」


「ねぇ、二人ってきょうだいなの?」


二人の顔を見ると、やっぱり似ていた。


「うん、そうだよ」


「こんなバカと姉弟なんて、もう本当にやだ」


「歩実! なんだよ、バカ、バカって」


「だって、本当にバカじゃん! 頭悪いし、か弱い女の子に思いっきりぶつかるし」


「それはバカの分類に入んねーし!」



二人の姉弟喧嘩が面白くて、私は笑ってしまった。



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