君とみた蒼空
お父さんは、トラックの運転手をしていて家にいることが少ない。
だから、二ヶ月に一度くらいしか会えないんだ。
「あら、詩音。おかえり」
お母さんが、そう言いながらキッチンから出てきた。
「お母さん、ただいま。今日お父さん帰ってくるって、本当?」
「そうよ。だから、今日の夜ご飯はお父さんが好きなハンバーグにしたの」
「千尋もハンバーグ、大好きー!」
千尋は、医者であるお兄ちゃんとは十五歳も離れている。
お兄ちゃんはもう結婚していて、私たち家族とは別居しているけど、家は近いからよく遊びに来てくれる。
もうすぐお兄ちゃんの子供が生まれるらしい。