星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~蒼 side ~


ドアを開けて入ってきたのは


五十嵐だった。

あと松本、杉本、高木も。


確か……


「幼なじみ 」だっけか…。

こいつらほんと仲いいよな。


……五十嵐…あいつ……

やっぱな〜。

前から思ってたけど


あいつ美姫のこと好きだな。

わかりやす。

でも美姫は……

気づいてないみたいだな。

あいつ……

超がつくほど鈍感だからな。

俺だって気持ち伝えんのに

どれだけ苦労したことか…。




五十嵐たちが帰った。



………やっと二人きりだ。

これでもう邪魔されないだろ。

美姫をみる。

あれ?

緊張してる?

……なんか固まってるんだけど。

どうしたんだ?

蒼『みーーきなんでそんなに緊張してんの?』

美姫『べ、別に緊張なんてしてないよ?』

目を逸らす美姫。

そんな態度とられると

いじめたくなるんだけど。

蒼『ふ〜〜ん……。
じゃあなんで固まってんの?
俺の顔もみようとしないし。』

すると

今度はこっちをみて

美姫『先生はさっきの……
なんとも思ってないの?』

え?

さっきの?

……あ〜あれか。

蒼『ずっとお前のこと好きだったんだぞ?
なんともおもわないわけないだろ。』

そうだよ。

ずっと

美姫のこと好きだったんだ。

嬉しいに決まってる。

そう言って美姫に近づく。

また目を逸らす美姫。

なんで逸らすかな。

蒼『こっちみて?』

美姫『………………やだ。』

なんだよ「やだ」って……

思わず笑ってしまう。

蒼『ははっ。なんだよ「やだ」って。』

まだこっちを向いてくれない美姫。

しょーがないなぁ。

蒼『ほーらこっち。』

こどもをあやすように言うと


ムッとした顔でこっちを向く美姫。

ちょっと怒らせちゃったかな?

でも……

蒼『やっとこっちみた♪』

やっと二人きりになれたんだからさぁ……

蒼『美姫?ちゅーしてもいい?』

美姫『………先生?
いつもとキャラ違くない?』

だってやっと付き合えたんだぞ。

さっきだってくっついていたかった

けど五十嵐たちが来たから我慢してたんだぞ。

蒼『こんな俺は嫌?』

美姫『ううん。好きだよ。
この先生もいつもの先生も。
今日の先生……かわいいね♡』

珍しいな。

美姫こんなこと恥ずかしくて言わないと

思ったんだけど。

今日の美姫……素直だな。

蒼『そっ?
でも…大人に「かわいい」はいけないなぁ。』

そう言って美姫の近くにいき

蒼『………いい?』

返事は聞こえなかった。

俺が口を塞いだから。

……あちぃな。

蒼『…はぁ……美姫やっぱあちぃな。』

そういうと

美姫『ごめんね!熱あるから…
うつすと困るからもうおしまいね。』

え〜せっかく二人きりになれたのに。

蒼『え〜〜いいよ別にうつっても。』

美姫からうつるなら大歓迎。

美姫『だーーめ!
先生が風邪ひいたらやだもん!』

と俺と反対のほうをむいてしまった。


しょうがない…

じゃあ…

蒼『……わーかった。
もうおしまい。また今度ね♪』

そういい

美姫が振り返ったところで

キス。

不意打ちに驚いた表情の美姫。


美姫『……はぁ…うそつき。』

そんな顔で

そんなかわいいこと言うなよ。

止まんなくなるだろ?

蒼『我慢できなかった。これでおしまいね。』

ほんとはまだしたいけど…

美姫の体調も心配だしな。

美姫『うつっても知らないからね?』

別にいいけど。

後ろから抱きしめながら話をしてる。

ちっちぇな。

相変わらず。

本気で抱きしめたら壊れそうな体。

蒼『だいじょーぶ。
もしうつったら看病して?』

それならむしろうつりたいくらいだ。

時計をみると

もうこんな時間かよ。

はぁ〜〜

しょうがねぇ。

美姫に言うと少し寂しそうな

顔をしたけど

俺が帰りにくくならないように

笑って送りだしてくれた。

俺が

「あとでメールする」

って言ったときの美姫

すげぇ嬉しそうな顔してたな。


早く採点終わらせて美姫にメールするか。



帰り道

車を運転しながら




今日もきれいな星空だな。

ほんとに願い叶ったな。

これのおかげなのか?

まぁ…一応感謝だな。

今日はいい日だったな。

美姫が倒れたときはすごい心配したけど。

これからもっと…

もっと美姫と仲良くなれますように。

星に頼んどくか。

じゃあよろしくな。

えーっと「お星さま」だっけか?

そんなことを思いながら

家へと向かった。



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