星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~美姫 side ~


誰か部屋に入ってきた。

誰?


『…………美姫?』

この声は…

拓真?

カーテンを開けたのは

やっぱり拓真だった。

詩織と夏妃と柊もいた。

みんな…来てくれたんだ…。

詩織『美姫〜〜〜もう大丈夫なの!?
すっごい心配したんだからね?』

夏妃『体大変でしょ?ゆっくり休んでね。』

詩織と夏妃は二人して駆け寄ってきた。

美姫『みんな…来てくれたんだ。
ありがとうね。心配かけてごめんね?』

来てくれたのが嬉しくてお礼を言うと

柊『美姫が倒れたとき保健室まで
連れてったの…拓真だぞ。』

え!?

そうだったの?

倒れたときのこと全然覚えてないから…

拓真にちゃんとお礼しなきゃ。

わたし……いつも迷惑かけてばっかだ…

美姫『そうだったの?拓真ごめんね?
ありがとう。』

拓真はいつもわたしが大変なとき

助けてくれるね。

なんかヒーローみたいだね。

それからいつもの他愛もない会話をして

拓真たちは帰った。

先生は拓真たちがいる間もずっと

いてくれた。

やっと先生と二人きりになれた。

嬉しいんだけど……

さっきのキスが頭から離れなくて

恥ずかしい。

先生の顔ちゃんとみれない。

少し緊張してると

蒼『みーーきなんでそんなに緊張してんの?』

先生が近くに来る。

そんなに近くに来られると

余計に恥ずかしくなっちゃうじゃん…。

美姫『べ、別に緊張なんてしてないよ?』

蒼『ふ〜ん…。
じゃあなんで固まってんの?
俺の顔もみようとしないし。』

なんでって…

先生の顔を

唇を

みると思いだしちゃうんだもん。

さっきの……

先生はなんとも思ってないのかな?

なんか……

ずるいっ!

わたしばっかこんなにドキドキして。

美姫『先生はさっきの……なんとも思ってないの?』

蒼『さっきの?
……なんとも思ってないわけねぇだろ?
俺だってずっとお前のこと好きだったんだぞ?
なんとも思わないわけないだろ。』

先生なんか…

いつもより素直。

そうやって言ってくれると嬉しい。

蒼『美姫?』

ぐいっと近くに先生の顔。

恥ずかしくて目を逸らしてしまう。

蒼『こっちみて?』

美姫『……やだ。』

だって恥ずかしいもん。

蒼『ははっ。なんだよやだって。』

だって……

蒼『ほーらこっち。』

なんかこども扱いしてない?

ちょっとムッとして先生をみる。

蒼『やっとこっちみた♪』

ご機嫌な先生。

蒼『美姫?ちゅーしてもいい?』

え!?

急になに?

てか…なんか先生キャラ違くない?

美姫『……先生?いつもとキャラ違くない?』

蒼『こんな俺は嫌?』

そんなわけないよ。

どんな先生でも好きだよ。

美姫『ううん。好きだよ。
この先生もいつもの先生も。
今日の先生……かわいいね♡』

笑いながら言う。

蒼『そっ?
でも……大人に「かわいい」はいけないな。』

そう言って

蒼『……いい?』

と聞き

返事をする前に


唇を塞がれてしまった。

先生のキスは

甘くてとろけそう。

先生の熱が伝わってきて

気持ちいい。

蒼『……はぁ…美姫……やっぱあちぃな。』

美姫『へ?なにが?』

蒼『美姫の口の中。すっげぇあちぃ。』

……あ、そういえば熱あるんだった。

美姫『ごめん!
熱あるから……。
うつすと困るからもうおしまいね?』

先生にうつすのやだもん。

蒼『え〜〜いいよ別にうつっても。』

子どもみたいにぐずる先生。

かわいいけど…

やっぱダメ!

美姫『だーーめ!
先生が風邪ひいたらやだもん!!』

そういって先生と逆のほうを向く。

蒼『……わーかった。
もうおしまい。また今度ね♪』

また今度ねって……

そんなことサラッと言わないでよ。

振り返って話そうとしたとき

美姫『んっ………ふっ……』


不意打ち。

だまされた。

美姫『……はぁ…うそつき。』

さっき終わりって言ったじゃん。

……嫌じゃなかったけど。

蒼『我慢できなかった。これでおしまい!』

と笑っていう。

美姫『うつっても知らないからね?』

蒼『だいじょーぶ。
もしうつったら看病して?』

そんな甘えた声で

かわいい顔でこっち見ないでよ。

美姫『わかった。でもまずは
うつらないようにしてね?』

先生に後ろから抱きしめられながら

そんな話をしてた。


蒼『…もうこんな時間か。
そろそろ行かないとだな。』

そう……だよね。

寂しいけどしょうがないもんね。

美姫『そうだね。
先生今日は一緒にいてくれてありがと!
気をつけて帰ってね。』

蒼『あぁ悪いなテストの採点しないと
だから…。
後でメールするな。
なんかあったら連絡ちょーだい?』

そっか。

テストの採点あるんだった。

てか……

メールたのしみだなぁ…

連絡先交換してから一度もやり取りしてない。

帰っても連絡できるなんて

嬉しすぎだよ。

美姫『うんっ!待ってるね!』

蒼『じゃあなバイバイ。』

寂しいけどまた会えるもんね。

だから…

美姫『ばいばーい!』

先生帰っちゃった。




今日は色んなことがあったなぁ…。

倒れて

病院行って

入院になって

先生に告白されて

両想いになって



先生とキスして………

倒れたり入院になったのは

嫌だったけど


いいことのほうがたくさんあったから

いいかな。

今日は最高の1日でした。

病室から見える星空をみて

「夢を叶えてくれてありがとう」

そうお礼した。

やっぱり流れ星じゃなくても

いいんだよ。

流れ星は少ししかない。

でも星はたくさんある。

そんなたくさんの星にお願いすれば

きっと…叶うんだよ。

信じればね。

信じててよかった。

お星さま。


ありがとう。
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