星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~拓真 side ~


今日は美姫が退院する日。

迎えに行こうかと思ったら

大丈夫って言ってたからやめたけど・・・

一人で大丈夫か心配。

でも・・・

一人じゃないのかもな。

あの日・・・

美姫の誕生日・・・

俺たちがお見舞いに行った時は

目があんなに腫れていたのに

次の日に行ったときには

昨日のことが嘘のように…

いつもの美姫に戻っていた。

理由は言わなかったけど…

たぶん紺野が関わってるんだろうな…

俺にはなにも言わなかったのに…

美姫は昔から感情が顔に出るからすぐにわかる。

♬...♪*゚♪。.:*・゜♬

ん?

電話…

詩織からか。

拓真『もしも…』

詩織『あ、拓真?今暇?暇だよね!あのさー』

言い終わらないうちに勝手に話し始める詩織。

声でかいな。

うるせー

ケータイを耳から離す。

つーか…

暇って決めつけんなよ。

いろいろつっこむところがありすぎる。

拓真『…でなに?』

詩織『明日買い物行かない?』

拓真『行かない。』

詩織と買い物とか…

うるさいだけだろ。

詩織『みんなでだよ!もちろん美姫も♪』

え…美姫も?

詩織『今度林間学校あるでしょ?
そこに海もあるし水着買いたいの!』

水着…

詩織『それにぃ〜…
そのあとに美姫の誕生日パーティーも
やりたいし!』

そういえば…

まだやってなかったな。

拓真『わかった。行くか。
夏妃と柊には言った?』

詩織『ふっふっふっ〜♪』

なんだよ気持ち悪いな。

詩織『実は今拓真の家の前にいたりして♪』

はぁ!?

カーテンを開けると

詩織が俺の方を見て手を振っている。

夏妃はうるさい詩織に注意。

柊はだるそうに立っている。

まじかよ。

詩織『おーーーい拓真〜〜〜!!』

うるせぇ。

これじゃ近所迷惑だろ。

拓真『そっち行くから待ってろ。』

急いで外に出る。

ガチャ

詩織『やっと来たぁ〜!』

夏妃『急にごめんね。』

どうせ詩織が言い出して二人の家にも

行ったんだろ。

詩織『よしっ!メンバーも揃ったし…
美姫の家にしゅっぱーつ!!』

普通こんな急に家に来られたら迷惑だよな。

ピンポーン

………………………

返事なし。

詩織『あれ?いない?』

夏妃『今日退院だよね?』

そうだけど…

詩織『よし!拓真合鍵!
とりあえず入ってみよう!』

おいおい。

それはダメだろ。

夏妃『はぁ?詩織あんたなに言ってんのよ。
ダメに決まってんでしょ!』

詩織『え〜〜美姫いるか確認!』

いやいやいや

いないから出てこないんだろ。

あ…でも

もし前みたいに倒れてたら…

柊『出かけてんじゃねーの?
電話してみればいいだろ。』

その手があった。

詩織が電話する。

出たみたいだ。

拓真『なんだって?』

詩織『今出かけてるんだって!
明日大丈夫だってよ!!』

出かけてる?

一人で出かけることなんて滅多にないのに…

紺野と一緒なのか…?

詩織『じゃあ明日買い物ね!
そのあとは〜美姫の誕生日パーティーね♪』

そこで解散。

夜になり

親父に頼まれた美姫の薬を届けに行くと

ピンポーン

……………

あれ?まだ帰ってきてない?

でも電気ついてるし…

まさか…また倒れてねぇよな…?

もう一度ならし

拓真『美姫?開けるぞ?』

持ってきていた合鍵で開けようとすると


美姫『た、拓真!待って!今開けるから!』

バタバタしてる。

なんかあったのか?

しばらくすると

ガチャ

美姫が出てきた。

拓真『どうした?なんかあった?』

美姫『う、ううんなんでもない!
………拓真こそどうしたの?』

なんかあったのはわかった。

でもなにかがわからない。

薬を渡す。

それと親父からの伝言を伝える。

てか………

拓真『相変わらず薬多いな。』

1日分で……あんなに…

美姫『うーんまぁね〜。
朝の薬だけで15個くらいかな。』

すげぇな。

俺今までこんなに飲んだことねぇや。

拓真『そういえば今日どこ行ってたんだ?』

美姫『買い物。』

拓真『一人で?』

美姫『……うん。』

ほんとわかりやすいな。

拓真『一人じゃ危ないだろ。
せっかく退院できたのになんかあったら
また入院になるぞ?』

一人じゃないのはわかってた。

…………でも

拓真『またこの前みたいに倒れたらどうするんだよ。』

あの時

ほんとに怖かったんだよ。

いなくなっちゃうんじゃないかって…

美姫『だいじょーぶだってば。
拓真は心配しすぎなの!』

あんなところみたら

心配するに決まってんだろ。

小さい頃から何度も美姫の倒れたところ

みてるけど…

何回みても慣れねぇ…

倒れる度に頭から血の気がひく。

拓真『とりあえず無理はするなよ!』

美姫『はぁーーい。』

拓真『じゃあ明日迎えにくるから。
おやすみ。』

美姫の家を出て家に帰る。

俺は気づいた。

美姫の部屋にみたことのないぬいぐるみが

増えていたこと。

美姫の腕には誕生日からずっと

ブレスレットが大事そうに

つけられていること。

そして・・・

駐車場には

紺野の車。

あの部屋にいたんだろうな。

俺が来たから慌てて隠れたんだろうな。

紺野がいたこと、

美姫が必死に隠そうとしたことに

少し怒りを感じた。

でも・・・

なんでかな

美姫のあの幸せそうな笑顔で

俺も癒されるんだよな



明日・・・

楽しみだな。
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