星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~蒼 side ~


美姫の家に着いた。

美姫『どうぞ♪』

送ったことは何回かあるけど


部屋の中に入るのはこれがはじめてだ。


なんか

妙に緊張するな…

蒼『…おじゃまします。』

部屋の中は…

「女の子」

って感じ。

ピンクや白が多くて

美姫らしい部屋。

美姫『片付けしてないからあんまり見ないで?』

ソファのぬいぐるみコーナーに

さっき俺がとったくまのぬいぐるみを置く。

美姫『蒼オムライス好きだよね?
それでいい?』

よく覚えてたな。

てか俺そんなこと言ったっけ?

言ったことすら覚えててないや。

蒼『いいよ。』

美姫『じゃあ作るから待ってて?
テレビ見たりしてていいから。』

そう言いながら

エプロンをつけ

髪を1つにまとめた。

おぉエプロン!

エプロン姿って普段みないけど

いいな。

それにいつもおろしてる

髪を結んでるのもいいな。

しばらくみていると

慣れた手つきで野菜やお肉を切り

同時進行で他の作業もしてる。

………すげぇ

料理得意なのは知ってたけど…

って……

なんか様子が……

傍に行くと

泣いてる?

………なんだ玉ねぎか

蒼『大丈夫?』

美姫『んっ…だいじょーぶ。』

泣きながら切っている美姫。

邪魔すると悪いし向こうの部屋へ行き

たくさん飾られている写真を見る。

小さい頃のから最近のまである。

本当に昔からずっと一緒なんだな…

写真のほとんどには五十嵐たちもうつっている。

幼稚園のから中学のまで。

飾られてないアルバムもたくさん棚に置いてある。

美姫『蒼〜できたよ〜!』

ニコニコ笑いながら料理を持ってきた。

持ってきたのは

オムライスにポトフ。

……オシャレだな

蒼『これ食べていいの?』

すっごいおいしそう…。

美姫『どうぞ♪食べちゃってください♡』

蒼『いただきます。』

一口食べる。

美姫はじーっと心配そうにみている。

蒼『うまっ!』

おいしい。

本当料理うまいな。

心配そうにみていた

美姫の顔もパァーっと明るくなる。

美姫『よかったぁ〜〜〜。』

蒼『美姫のは?』

俺の分だけで美姫のがない。

美姫『今からつくるの。』

蒼『はい。あーん。』

オムライスをすくって美姫に向けると

少し照れながら

パクッ

美姫『…おいひい。』

照れながら食べてる。

反応がいちいちかわいいんだよなぁ…

自分の分のも作り一緒に食べる。

あ…そういえば

蒼『ねぇなんでオムライスに何も書いてないの?』

なんか書いてあると思ったんだけど

美姫『あ〜それね!
自分の好きなの書けばいいかと思って。』

美姫に書いてほしかったんだけどなぁ

蒼『美姫書いて。』

美姫『何を?』

蒼『なんでもいいよ。』

悩んだ美姫が書いたのが


「あおい♡」

………………

なんだろ…

嬉しいんだけどなんか…

蒼『なんで俺の名前?』

美姫『蒼が食べるから!』

いや…そうだけど…

蒼『26のおっさんが自分の名前に♡ついてるの食べてたら気持ち悪いだろ。』

そう言うと

ケラケラ笑っている美姫。

そんなに笑うか…?

蒼『笑いすぎ。』

ほっぺをかるくつまむ。

白くて柔らかいほっぺ。

おもちみたいだな…。

美姫『ふふっ。だってさぁ〜。』

とお腹を抱えている。

なんかおもしろくないな。

蒼『そんなに笑う人にはおしおき。』

怒ってるわけじゃないけど

美姫をみてるとおもしろいから

遊ぶかな♪

ごはんもおわりソファに座って話していると

美姫『………おしおきって何?』

どうしようかな〜。

そーだ。

蒼『んー…じゃあ…美姫から俺にチューして♡』

いつも俺からだし

たまには美姫からしてもらおうかな♪

美姫の顔・・・

赤っ・・・

ほんとすぐ顔に出るな。

かわいいからもうちょっと……


蒼『ほーらここ。早くして。』

目をつぶって待っていると…


チュッ

……

蒼『美姫?それほっぺ。俺が言ったの唇。』


唇じゃなくてほっぺにしてきた。

それでも嬉しいけど…

やっぱ…

蒼『美姫?ほら。』

顔を赤くしている美姫を持ち上げ

俺の上に座らせた。

美姫『……////!!!』

声にならない声でなにか言ってる。

……なら


蒼『俺からしようか?』

と言うと

美姫『……私がする…。』

顔を赤くして目をつぶって

俺の顔に近づいてくる美姫。


あと少し…


唇が重なる瞬間


ピンポーン。

インターホンがなり美姫は急いで

俺から離れた。

こんな時に誰?

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