星に願いを~たくさんの幸せをありがとう~



~ 美姫 side ~


検査が終わり


部屋に戻ると



山瀬くんが寝てました。



わたしのベッドで。




………なんで?


寝たふり?

ではなさそうだけど…


近くに行き覗いてみると


あらら…ほんとに寝ちゃってる。


聞きたいことはたくさんあるけど…

どうしよ…。


気持ちよさそうに寝てる山瀬くん


…かわいい


近くでみるとやっぱかっこいい


キレイな顔。


そりゃモテるよね。


こんな人がわたしのこと…

なんて

やっばり信じられない。


山瀬くんのことだからからかってるんだよ

きっと。


そんなことを考えぼーっとしてると



山瀬『……ん〜…』


起きたかな?


まだ眠たそうに目をこすってる山瀬くんが

小さい子どもみたいでかわいかった。


山瀬『…あれ…美姫ちゃん?』


美姫『そうだよ。』


山瀬『そんなに俺のことみつめちゃって…
惚れちゃった?』


…この人は…

寝起きなのによくそんなことを…


美姫『…ここわたしのベッドなんだけど?』


山瀬『そうだねー。じゃあ一緒に寝る?』


……はぁ…

この人の扱いはどうすればいいのかわかんない。


本気なのかどうなのかもわかんないし…

本気でも困るけど。


てゆーか


さっきから自分のベッドみたいにくつろいでる
けど…


それわたしのベッド!


なんて返せばいいのかわからず

とりあえずベッドに座ると


山瀬『どこ行ってたの?』


起き上がって隣に座ってきた。


美姫『検査。』


山瀬『検査かー痛かった?』


心配そうに覗き込んできた。


美姫『痛くないよ。
レントゲンと心電図とエコーだからね。』


…てゆーか…


美姫『なんでここにいるの?』


山瀬『そりゃお見舞いに決まってんじゃん。』


子犬のような笑顔で答える山瀬くん。

かわいい…

そんな顔でそんなこと言うのはずるいよ?


山瀬『…今キュンとしたでしょ?』


美姫『…してません!』


少し…

ほんの少しだけはキュンとしちゃったけど…

そんなの言ったらなんか負けた気がするから言わない。


そんな話をしてると


ガラガラガラ


ドアが開き入ってきたのは


五十嵐先生『美姫ちゃん?』

五十嵐先生だった。


そっか

昼間来ないと思ったら夜勤か…


五十嵐先生『検査お疲れ様。
…えっと君は…』


山瀬くんをみてなにか言おうとしてる


山瀬『あ、山瀬俊です。
美姫ちゃんと拓真くんと仲良くさせてもらってます。』


……!!


山瀬くんがこんな話し方するなんて思わなかった…


意外とそういうとこはしっかりしてるんだ…


五十嵐先生『美姫ちゃんの主治医で拓真の父です。よろしくね山瀬くん。』


山瀬『はい!』


なんかいつもと違う…

礼儀正しいし…


五十嵐先生『そうそう。
美姫ちゃん外出してもいいよ。』


…え!?


美姫『いいの!?』


ちょうどお願いしようと思ってたけど

まさかおじさんから言ってくれるなんて…


五十嵐先生『拓真たちがどっか行きたいって言っててね…日帰りだけどいいよ。』


やった!

あ…でも…

日帰りで拓真たちと出かけるってことは…


蒼とは出かけられない。


五十嵐先生が出ていきいろいろ考えていると


山瀬『…2人きりだねー。』


美姫『…そうだね。』


山瀬『抱きしめていい?』


……はい?

この人は…

なに言ってんの?


美姫『だめ。』


山瀬『…でもさー
俺が本気でしようと思ったらできちゃうよねー。』

…なんか身の危険を感じる…


美姫『そうだね。
…でもそんなことしたら友達に戻れなくなっちゃう。』

山瀬くんのことは恋愛の好きって気持ちはないけど

友達としては好き。


それに…


美姫『山瀬くんは無理やりそんなことしないでしょ?』


山瀬『…それずるくない?』


へ?


山瀬『そんなこと言われたらできなくなるじゃん。』


ほらね。


美姫『てゆーか…
山瀬くんわたしのこと好きじゃないでしょ?
好きじゃない人にそんなことしちゃだめだよ?』


そう言って立とうとしたとき


グイッ


腕を掴まれベッドに座らされた。


山瀬『好きだけど?』


……え…?


山瀬『好きじゃなかったらお見舞いなんて来ないし…
こんなにドキドキしない。』


山瀬くんのこんな顔…

はじめてみた。

今までチャラチャラしてるイメージだったけど…

案外違うのかも…

なんて返せばいいのかわからず黙ってると


山瀬『ははっ…そんな顔すんなって。
今はあのおっさんが良くてもだんだん俺の方がいいって思えるようになるからさ。』


またあのかわいい笑顔でそんなことを言ってくる

…てか

美姫『おっさんって…
蒼はおっさんじゃないし!
それにそんな事ないから。』


蒼はまだおっさんって年じゃないもん。

大人って言ってよ。


山瀬『俺からしたらじゅーぶんおっさんだよ。
だいじょーぶ。
俺がそうさせるから。』


なんでそんな自信満々なのかわかんないけど…

そんなことはありませんから。


そんなとき


♬♪。.:*・゜♬


ケータイがなりメールを見てみると


詩織からだった。


『お祭り行くよ〜〜!!
あたしと美姫と拓真と柊と夏妃と山瀬っちでね♪
あと紺野先生も誘っといてね〜(*´艸`*)
送り迎え頼みたいし♡
あ、あと浴衣着てくから!』


お祭り?

てか…「山瀬っち」って…

それに蒼もって…

あと…

って聞きたいこととつっこみたいとこがありすぎて困るんですけど。


山瀬『どーした?』


詩織からのメールを見せると


山瀬『あ〜しおりんねー。
いいじゃん祭り!』

ん?

「しおりん」?


美姫『なにその呼び方。』


山瀬『いいでしょ♪』


いや別に…


山瀬『まぁいーじゃん♪
祭り楽しーし!
美姫ちゃんも行こーよ。』


美姫『…うん。』


わたしだってお祭り大好きだし

大好きなみんなと蒼と出かけられるの嬉しいよ?

でも一度にいろいろ聞いて何から整理すればいいのか…


山瀬『じゃあまた来るから。…美姫』


なんかさりげなく言ったつもりかもだけど

そこだけ表情かたいし

すごい不自然。


美姫『ふふっ…急にどうしたの?』


山瀬『…俺だけ「美姫ちゃん」だと仲良くないみたいじゃん?』


…そうかな?

よくわかんないけど…。


山瀬『だからこれから「美姫」って呼ぶから
…美姫も「俊」って呼んで?』


美姫のとこだけ違和感あるけど…


美姫『…わかった!
「俊」でいいんだよね?』


山瀬『そ!
…じゃあ俺もう行くな!』

不自然な話し方と歩き方で山瀬くん…

いや…俊は部屋を出ていった。


なんか今日は今まで知らなかった俊がみれたな…

ただ軽くてチャラチャラしてるだけの人だと思ってたけど

全然違ってたんだね。


そのあと

蒼にお祭りのことを連絡し

OKをもらい

ベッドにもぐり眠りについた。



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