多重人格者【完結】
『みっけ』
「ふふ」
『行っても平気?』
「うん、大丈夫だと思う」
『明るいからバレるか?って思うけど、うまい具合に葉っぱで外から隠れてるよな』
私からはイマイチ見えないんだけど、心君の立ち位置からだとそうらしい。
意識して見た事なかったし、初めて知った。
これをカンナが知ってたとしたら、利用してたのかも。
私はいつか、靴が部屋の中にあった事を思い出していた。
「おーい?あやめ?」
気付けば、心君がすぐそこにいて目を真ん丸にする。
「全く。俺が目の前にいるのに考え事かよ?」
そう言うと、靴を脱ぎ中に入って昨日と同じ様にベッドへと座った。
私も昨日同様、窓とカーテンをしめて隣へと座る。