多重人格者【完結】
くくっと喉を鳴らすと、アタシは低い声を出す。
「そりゃ初めてだよ?」
いつもこの行為中何も言わないあやめが、何か発したのが驚いたのかそいつは目を見開く。
こないだも拒絶されたのに、懲りねえよな。
「だって、お前を殺すんだもんな?」
そう言うと、アタシは枕元にある包丁を手にした。
「な、何を!?あやめ!?」
後退りするそいつは、怯えた顔をしながらアタシを見る。
ベッドからゆっくりと立ち上がって、真っ直ぐにそいつと対峙した。
「どうしてだかわかる?
悦んでるなんて本当に思ってた?
ああ?最低のロリコン野郎」
「な、んて」
「何度だって言ってやるよ。ロリコン野郎」
「貴様っ!!」
突然アタシに飛びかかると、腕を抑えつけようとする。
だけど、アタシも負ける気はない。