許さないからね!
そして半年前、真人は課長になった。
同じ課ではないけど、成り行きで私も参加した、真人の課長就任お祝いの飲み会。
ずーっと避けてた、真人との接触。
久々に同じ空間にいる
それだけで、やっぱり私は彼が大好きなんだ。
そう実感することが出来た。
でも、もう、側にいることなんて、出来ないんだ。
そう思うと、お祝いの席なのに、涙がでそうになって、思わずトイレへかけこんだ。
大丈夫、大丈夫、大丈夫…。
そう、自分に言い聞かせ、何とか涙がでそうなったのを、必死に止めてトイレから出てくると
そこには、真人が壁に寄りかかって立ってた。
久々に近くで見上げた顔は、やっぱり、私の好きな角度からで、お酒が入ると艶っぽくなる眼差しは、私の鼓動を簡単に速くさせた。
「…どうしたの?」
平静を装って、聞いてみる。
「今日、来てくれたんだ?」
壁に寄りかかっていた身体を起こしながら、首をかしげて言ってる姿も、カッコいい。
「…成り行きで。」
それだけを告げて、顔を背ける。
これ以上、顔を合わせてると、ダメ。
せっかく、込み上げてた涙が、また出てきちゃう。
「じゃあ、戻るね」
俯いて、真人から背を向け、歩き出す。