許さないからね!
次の瞬間。
左腕を、後ろから引っ張られ、バランスを崩しそうになった。
「きゃっ…」
慌てて振り向くと、力強く両肩を掴まれた後、背中に壁が当たる。
「ちょっと、何…」
顔を上げると、真人の両腕が私を逃がさないように、私を挟んで壁についている。
正面を向くと、真人のアップ。
「ま、こと…?」
「俺、管理職になったの、何でか、解る?」
肘を壁につけて、更に顔を近づけてくる、真人。
「え、何?何で…?」
鼻と鼻が触れ合いそうな距離。
真人の右脚が、私の脚の間に入ってくる。
私の鼓動は一層速さを増す。
「理緒が、大事だから」
え…。
その言葉に、反射的に視線を合わそうとすると、ほぼ同時。
真人の唇が、私の唇を塞いだ。