あなたと、恋がしたい 【特別番外編】
果歩は今、神野デザイン事務所で企画営業を担当している。細々した仕事はたくさんあるけれど、デザイナーたちが生み出した作品をクライアントにプレゼンするのが主な仕事だ。
昂生が集めた社員たちは皆気さくでチームワークがよく、大企業とはまた違ったアットホームな雰囲気で居心地がよい。少人数だからこそ現場がより近いところに見えるというのが面白味があって、やりがいもある。
そして、時々寂しくなったときはデザイン事務所のアトリエをこっそり覗いて、充電するのが日課だった。
たまに電話越しに聴こえる恋人の声は、隣同士に住んでいたときとはまた違った声で……それもまたいいなと思えたし、電話している最中に目の前にきらきら輝く指輪を見ていたら、また明日から仕事をがんばろうと思えた。そうして心は満たされていたのだ。
「……なんて、強がり言っちゃったけど、会いたくなっちゃったな……」
結婚式の帰り道、冬空にため息をつき、白く染まった都会をぼんやりと見渡した。
心では割り切っているけれど、会えないよりは会えた方がいいにきまっている。声だけじゃなく顔が見たいと思う日だってある。
とくに幸せそうな結衣の姿をみたら、無性に好きな人と一緒にいたくなってしまった。
はぁ、と白いため息を零したその時、
「おねえさんひとり? 二次会には出席しないの?」
後ろから声がかかり、果歩の足が止まる。
そして、何秒も経たないうちに弾かれたように振り返った。
雪がちらちらと視界を掠める中、黒いコートを着た長身の男性が笑顔で立っている。
「今日来ないと、花嫁にうらまれそうだったからさ。なんとか間に合わせた」
果歩は驚いて声がでなかった。
どう見間違いようもなく、その人は……昂生だ。
昂生が集めた社員たちは皆気さくでチームワークがよく、大企業とはまた違ったアットホームな雰囲気で居心地がよい。少人数だからこそ現場がより近いところに見えるというのが面白味があって、やりがいもある。
そして、時々寂しくなったときはデザイン事務所のアトリエをこっそり覗いて、充電するのが日課だった。
たまに電話越しに聴こえる恋人の声は、隣同士に住んでいたときとはまた違った声で……それもまたいいなと思えたし、電話している最中に目の前にきらきら輝く指輪を見ていたら、また明日から仕事をがんばろうと思えた。そうして心は満たされていたのだ。
「……なんて、強がり言っちゃったけど、会いたくなっちゃったな……」
結婚式の帰り道、冬空にため息をつき、白く染まった都会をぼんやりと見渡した。
心では割り切っているけれど、会えないよりは会えた方がいいにきまっている。声だけじゃなく顔が見たいと思う日だってある。
とくに幸せそうな結衣の姿をみたら、無性に好きな人と一緒にいたくなってしまった。
はぁ、と白いため息を零したその時、
「おねえさんひとり? 二次会には出席しないの?」
後ろから声がかかり、果歩の足が止まる。
そして、何秒も経たないうちに弾かれたように振り返った。
雪がちらちらと視界を掠める中、黒いコートを着た長身の男性が笑顔で立っている。
「今日来ないと、花嫁にうらまれそうだったからさ。なんとか間に合わせた」
果歩は驚いて声がでなかった。
どう見間違いようもなく、その人は……昂生だ。