キスは媚薬 Ⅱ

「先輩、私のこと避けてますよね⁈」

誰もいない喫煙所で彼女から逃げるよう

に部屋の隅でベンチに座り隠れてタバコ

を吸っていた。

入り口に立つ彼女は、腕を組んで怒り気

味だ。

ツカツカとヒールを鳴らし目の前まで来

ると、あ然とする俺の唇からタバコを取

り上げ灰皿に押し付ける。

キッと睨み、俺の足を跨ぐと壁に怒りを

ぶつける。

『ドン』

彼女の決意した表情にドキっと心をつか

まれ動けずに彼女を見ていた。

「自分で誰にも触れさせるつもりないっ

て宣言したくせに、逃げないで下さい。

下手くそなキスで嫌になりました⁈」

「そんなことない」

「なら、宣言通り先輩しかほしくないと

思うぐらいもっと夢中にさせて下さい。

そして、私もその冷静な顔が崩れるぐら

い私に夢中させてみせます」

初めて彼女から唇にキスを重ねてきた。

参った。

俺は何を悩んでいたんだ。

彼女を悲しませていたと思うと心が痛い。

彼女は、乱れた俺を見たいと言っている

んだ。

宣言しなくても、俺は君とのキスに夢中

で君を何度この手に抱いた夢を見たこと

か⁈

もう、平静を装わない。

彼女を抱きしめ触れる唇をこじ開け、唇

を貪る。

乱れる息遣いに体温を上げ、彼女に聞こ

える声で囁く。

「好きだ。今日は帰さないから俺をもっ

と夢中にさせてくれ…」

頬を染め頷く花にもう一度優しくキスを

する。

彼女とのキスは媚薬だ。

彼女無しではいられなくなったのだから

……。
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