君は僕を好きになる。



「相模!! 開けて!!」

「幸せになって」という直哉の言葉を背に受け、タクシーに飛び乗った私は、インターフォン越しに驚く相模にかまわず、オートロックを開けさせて彼の部屋へ急いだ。


ドアを開けた相模は帰ったばかりなのか、スーツのままで立ち尽くしていて、その胸に勢いのまま飛び込み、背中にギュッと腕を回す。


だって、伝えたい。


「何で勝手に殴り込みとか行くの?」

「……ごめん」


いっぱいいっぱい、伝えないと。


「相模は何で分かったの?」

「何が?」


ホントに、どうしてくれるの。


「私が相模を好きになるって、どうして分かってたの?」


その質問に、見上げた彼の瞳が驚いたように瞬いて、次の瞬間、フッと優しげに細められる。


「だって、俺が一番深山のこと好きだし、大事にする自信あるし」


もう嫌だ。


「相模ぃ……」

「ん?」

「大好き」


こんなに好きにさせて、どうしてくれるの。


ボロボロ泣く私を見て「俺の方が好きだと思うよ?」と笑った相模に唇を塞がれて、思い出したのは苦いキス。

だけと、今日は――。


「何か、甘い」

「あー、今ココア飲んでた」

「ココア!」

吹き出す私に不貞腐れていたけれど、そこはやっぱり相模。


「そんな余裕でいられるの、今のうちだけだからね」


閉められたドアに手をついて、耳元で囁く彼と交わす次のキスは、一体どんな味がするのだろう。




-fin-
< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:120

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

★.。.:*・ Meteor shower ★.。.:*・

総文字数/28,066

恋愛(純愛)47ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*: Your smile makes me happy :) ・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*: 色々な小説の短編・中編集です。 更新は不定期になります。 こちらはファン登録をして下さっている方への、パス付き小説です。 お読みいただくには、ファンメールに記載されているパスワードが必要になります。
恋するキミの、愛しい秘めごと

総文字数/240,952

恋愛(純愛)249ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『一緒に住む上で、4つ約束をしよう』 それに涙目で頷いた私に…… あなたは黒目がちな瞳を細めて、 優しく微笑んだ。 ゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚ 甘くて切ない、 優しい大人のラブストーリー。 ゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚ 2013.01.15 〜 2013.05.01 【完結】 2014.12.25 『切ない大人のラブストーリー』特集に 選出して頂きました。 ありがとうございました!
犬と猫…ときどき、君

総文字数/436,360

恋愛(純愛)651ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
その瞬間、蘇るのは 「くるみ……」 私の名前を呼ぶ あなたの掠れた…… 優しく、 甘い声――。 2012.01.24 完結。 *:..。o○☆○o。..:*゚*:..。o○☆○o。..:* 2012.09.04 「編集部オススメ小説」に掲載されました。 ありがとうございました。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop