君は僕を好きになる。
その日の仕事を猛スピードで終わらせ、定時で上がった私が向かったのは、逃げ続けていた直哉の所。
しばらく振りの彼のマンションのチャイムを鳴らすと、当然直哉が顔を出したんだけど……。
「……何? その顔」
左頬を腫らした直哉は、何故かスッキリしたような表情を浮かべていて、戸惑う私に自分の浮気を謝罪したあと言ったんだ。
「ホントはずっと怖かったんだ。だってあいつ、ずっとお前の事好きだったし、本気出されたら敵わないって知ってたから」
「それ、相模に……?」
「うん。久々にブチ切れられた」
何してるの?
どうして私なんかの為に。