NA・NA・MI
アタシは店が終わると久し振りに区役所通りに向かった。
すっかり寒くなった東京のこの街で、アタシは初めての冬を迎える。
クリスマスの音楽が流れ、呼び込みのお兄さんもサンタの格好をしている。
「うちで働かない?」
「働かない。アタシ今から彼の奢りで飲みに行くから忙しいの。じゃあね」
アタシは声を掛けて来る男達全員に、笑顔でそう答えた。
こんな事ならさっさと会いに行けば良かったよ。ハヤトはアタシを好きだから、喜んでくれたに違いない。
そしてアタシは久し振りに、クラブホワイトのドアを開けた。