でも、好きなんです。
「・・・じゃあ、なんとか思ってるんですか?」

「さあ、どうでしょう。」

窪田さんが笑う。この人、完全に私のことからかってる!

「もー!とにかく!私は、昨日のことは忘れますから!」

「ムキになっちゃって、河本さん、可愛いなあ。」

私は、窪田さんを置いて、ひとりオフィスに向かった。

 
窪田さんの馬鹿!


もう、忘れよう。


窪田さんはきっと、酔うと見境がなくなる人なんだろう。


普段は楽しくて、優しくて、いい人だなって思ってただけにショックだったけど、もう、忘れよう、あんなことがあったことは。


・・・ちょっとでもドキドキした自分が馬鹿みたい。
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