思い出の場所で②
しかし、俺よりも志村にキレた人がいて…

「あのさぁ。
亜弥の何を知ってて、自分の方が根本に合うって言ってるの?」

そう言ってお店に戻ってきたのは修一先輩だ。

「えっ…?」

固まる志村。
しかし、先輩は容赦ない。

「志村はさ、根本のために何をしている?」

その先輩の問いに、
「えっと。サークルで疲れたときに、根本くんに一番に飲み物やタオルを渡して…」

「それって、根本が喜ぶと思ってるの?」
「……………」
「亜弥もマネージャーだったけど、みんなに平等だったよ。
ドリンクも、タオルも、みんなに平等に渡してた。本当は、根本に一番に渡したかったろうけど。
マネージャーだから。
チームを一番に考えたから。
彼氏だけど、根本だけを特別にすることはなかった。
そんな亜弥がマネージャーだったから、チームもうまくまとまっていたし、根本も亜弥が好きなんだと思うけど」
修一先輩はそう言って俺を見た。

「先輩の言う通りです。
亜弥ちゃんが、悠紀を特別扱いしないで、部員みんなに接っしてくれたから、俺たちはインターハイまで行けたと思ってます」

< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop