ダンナ様を妬かせる方法
すると、祐一は目を細めて笑ったのだった。

「ありがとう。じゃあ、これは香奈に任せるよ」

「うん!」

カバンを受け取り、祐一の後をついて行く。

廊下奥にあるベッドルームにはクローゼットがあり、そこで祐一は着替えるのだった。

祐一のネクタイを外す姿は本当にカッコよくて、いつもウットリと見てしまう。

今日も見とれてボーっとするわたしに、祐一はふと目を向けた。

「香奈、あんまり無理しなくていいからな」

「え?無理って?」

「さっきみたいなこと。カバンなんて、持たなくていいよ」

そんな……。

まさか、迷惑だったとか?

意外な言葉に落ち込みを隠せず、俯いたわたしの頭を祐一は優しく撫でたのだった。
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