鈴が咲く【前編】
「………」
目を閉じて俯いた。
燈兜の言葉が身体中を回って
私の奥へと入ってくる。
本当の自分
本当の……本当の…
__平和ボケ
_____シアワセに暮らしてる
__いいよね、アンタらは
____ただ何も知らないだけ
目を開けて、
燈兜とその横にいる4人を見る。
アレ…?
こんなに、ここって、明るかったっけ……?
_____ガチリ
パチンッ
4人の方を指差した。
透明な膜が弾けたような音がして
一気に四人の声が耳に入ってくる。
その音をを雑音の様に聞き流して一歩前にでた。
『姫』
燈兜にはわかっているみたい…
「……今日」
雑音が止む
「今日ここで、咲は消えます。」
咲希なんて存在も。
咲っていう存在も。
二重人格ともいえる、咲と紅竜。
燈兜の言葉で体の中の靄が
少し、少しだけ晴れた気がする。
咲は、私じゃない。