鈴が咲く【前編】








「燈兜。」


『鈴。
ヨクやってクれた、体に負担ハなイカ?』

「大丈夫。
…燈兜様、頼みがございます。」


『!…』

ピリッと空気が張り詰める


『聞コう』

「私に第一陣の指示をする許可を下さい。
一部隊を動かすだけでも良いのです」



『……』

当主としての顔をした燈兜がこちらを向く


『我が家族ヲ守り皆の先頭に立ツ覚悟を持っテノことカ?』

「当然です。
私のこの命と引き換えに皆を助けられるのであれば
迷わずそうします」



『…良いダロう
奴らガこコニ到達スるマデの指示をさセル。
奴ラが到達シ、里に入っタ瞬間に
お前ハ私ノ元ヘ戻っテコい。』


「はい!」


燈兜に深く礼をして、
身を翻す。




















「我が力に応えよ」



柳、琴、キヨ、九尾、楚宙、怜芽、夜召、雪狐、
召隷、美弧執、怜里、孤執羅………



呼ばなくても来てくれる、
みんなに感謝した。




「夜召、琴、怜里、楚宙。
里に入る入口四つの警戒と警備を。
雪狐と召隷、美孤執と孤執羅で屋敷の前後を。
九尾は分身して里の中を飛行、怜芽に情報を伝達。
怜芽、私の伝令を。
キヨ、屋敷の中は任せる。」

各々で頷き、
私を安心させるかのように微笑むみんな。



そして…

「柳。
私と一緒に。」


その言葉に私の相棒は
ピリピリとしてきているこの場に似合わない程嬉しそうに子供のように破顔した。




「みんな、お願い。」



任せろ、と背中を叩いて、
頭をくしゃくしゃとなでて、
手を握って、
ぎゅっと抱きしめて、
拳を合わせて、
ハイタッチして、
頬を合わせて、

みんなが持ち場についていった。


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