鈴が咲く【前編】
ヒュッ___
空気を切り裂く音がして
燈兜に向かって苦無が飛んでいく。
カンッ
金属同士がぶつかる音が
静寂の中で反響するかのように響いた。
「っ…!!!」
『流石ハ…』
「咲っ…!!」
『鈴ダのォ…』
素早く燈兜の前に回りこみ、
聖林の放った苦無を弾いて掴んだ。
「燈兜。怪我は」
『無いナァ』
「よかった」
端的な会話。
敬語よりもこっちの方がいいと分かった。
「っそぉ…!!!!」
ダッと走り込んでくる聖林。
『鈴。
ヤレ。』