鈴が咲く【前編】
「…」
『流石鈴
タイミング完璧…』
斜め後ろに戻ってきていた柳が
前かがみに私の耳元にそう呟いて笑う。
「何言ってるの
離脱のタイミングも戻ってくるタイミングも
完璧のくせに」
混乱し、
砂埃の舞う敵方を見据えたままそう答えて
腰を下ろすように戦闘態勢に入る。
「そりゃあやるのが鈴だからな」
そう軽口を叩きながら
隣に来て対照になるように半歩引いて
腰を落として戦闘態勢に入る柳。
「ふっ…」
思わず緩めていた口元を
「…行くよ」
引き戻す。