素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「うっ……お腹いっぱい……」

「結構きたね」



目の前には空になった大きなお皿がある。
やっとの思いで食べきった私と翔也さん。


私の言葉に翔也さんも同調してくれたけど顔はそんな風には見えない。
相変わらずの王子様スマイルを浮かべていた。




「なんだい、情けないね2人して」

「マコさん、この量は本当に危険ですって」

「何言ってるんだい?アタシはいつもこれくらいは食べてるよ!」




マコさんは嘘はつくようなタイプではない。
だから言っていることは本当だろう。


でも1つ疑問が浮かぶ。
なぜこんなに食べていて太らないのだろう?



スタイルがいいその体を見ながら首を傾げる。




「はぁー本当に情けないカップルだね」

「カップルじゃないですってば!!」



マコさんはまだ私たちが付き合っていると誤解しているみたいだ。
この誤解を解かなければかなり厄介だ。


そう思って口を開こうとすれば、先に翔也さんが口を開いた。



「残念ながら付き合ってはいませんよ。
夏香ちゃんには運命の人がいるみたいで、僕なんか相手もしてもらえません」

「ちょっ……変な事、言わないでください!!」

「またまた~。こんなに仲がいいのに付き合っていない訳ないだろ?
って、夏香……時間大丈夫か?」

「え……?」



時計を見れば昼休みが残り5分を切っていた。
まずい、まずすぎる。



私は勢いよく鞄をあさり、財布からお金を出して机に置く。



「ご馳走様でした!!
翔也さん、一緒に食べてくれてありがとうございました!!」




それだけ、言い残して私はお店を飛び出した。

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