素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「久しぶり夏香!!」

「久しぶりなぎさ!!」


なぎさと合流をして居酒屋へと向かう。
他愛の無い話をしていればあっという間についた。

席へと座りテキトウに注文をする。


「じゃあ乾杯」

「乾杯!」


なぎさの合図でグラスのぶつかる気持ちのいい音が響き渡った。
ちらっと目の前にいるなぎさを見れば喉を鳴らしながらビールを流し込んでいた。
本当にいい飲みっぷりだな。
感心していればなぎさの視線が私に突き刺さる。


「っで?」

「っでって?」


いきなりの事で頭にハテナを浮かべていればなぎさは大袈裟にタメ息をついていた。
彼女の行動に苦笑いを浮かべればなぎさはビールジョッキを思いっきり机の上に置いていた。
その音に驚いていればなぎさの怒鳴り声が私に降りかかってくる。


「この数カ月!!ちっとも報告がないんですけど!?」

「ちょ!!静かに!!何の報告よ?」


なぎさの声に周りで飲んでいた人たちの視線が私たちに向いた。
恥ずかしくなった私は周りに軽く頭を下げて小さな声で話し出す。


「何って……橘さんとの事に決まっているでしょ」


なぎさも周りの視線に気が付いたのか声を小さくして話している。


「あぁ……その事ね」

「何よその顔は……」


私は苦笑いをしながらカシスオレンジを口に含む。
なぎさの視線に耐えきれなくなった私は思わず話してしまった。

橘部長の事を諦めようとしている事を。
そうすれば何故かなぎさは怒ったように顔を顰めた。
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