素直になりたくて~メイクに恋してあなたを愛す~
「泰東」

「はい?」


しばらくパソコンと向かい合っていれば、橘部長が私の名前を呼んでいる。
低い声に少し焦りだす私。
怒られるのかな……。

橘部長のデスクに向かえば鋭い目で睨まれる。


「お前だけ企画書出してないみたいだが」


やっぱりその事か。嫌だな……。
ある程度さ予想していたが、実際に言われるとなるとキツイものがある。


「……今作り直しています」

「……元の資料を持ってこい」

「……はい」


デスクに戻り、昨日部長にボツにされた資料を持ち再び橘部長の元に向かう。


「お願いします」

「……」


橘部長は私の資料を無言で見ている。
あぁ……。
橘部長の眉間にシワが……。
だいたいボツになった資料を見る意味なんてあるの?


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